80s ロンドン・グラムメタル・パンク THE BABYSITTERS の1985年リリース、唯一のスタジオアルバムが
オリジナルメンバー自身のレーベルJIMBO'S RETRO DISK から初のCD化でリイシューされた。
そしてその日本国内リリースをROADSIDE RECORDSでやらせてもらえることになった。
自分の音楽人生の中でこんなことが起きるなんて奇跡だと思う。
なぜならTHE BABYSITTERS は僕の音楽人生において特別なバンドだからだ。
1985年、僕は中学3年生。初めて組んだバンドで、初めて人前で演奏をしたのはその年の中学校の文化祭のステージだった。
今も一緒にバンドをやっている幼稚園から一緒の幼なじみがベース、僕はヴォーカルだった。
技術も知識もない勢い任せの中学生バンドだったけど選曲だけはこだわっていた。
その時に演ったのが THE BABYSITTERS の Give Us A Loan という曲。それが自分のバンド人生の最初の曲。
その自分にとって特別なバンド のリイシューにまさか関わることが出来るなんて、本当に信じられないことだ。
少なくとも33年前、中学生の自分にはそんな夢のような話は想像すらできるはずはなかった。
その時、自分にとって一番カッコいいバンドの曲を演りたかっただけ。
中学校の文化祭で演奏する曲にイギリスのインディーズレーベルの・グラム・ポップパンクの曲を選んだのは
今考えると自分らしいし、自分たちのことながら最高だった。
そして大げさかもしれないけどその選択は運命だったんだと思う。
月並みな言葉だけど33年後に起きることを中学生の自分に教えてやりたい。
振り返ってみると音楽を聴き始めたころから、音楽に対して自分なりにいろいろこだわりを持っていたように思う。
初めてロックを聴き始めたのは小学6年生の終わりころ。背伸びをして周りの友達が聴いていない音楽を聴こうとしたのが
きっかけだったと思う。中学になるとHEAVY METAL, THRASH METAL, GLAM ROCK, PUNK ROCK 等いろいろなジャンル
の、周りの友人たちが聴いていない、地元福井のレコード屋には置いてない輸入盤、インディーズ、B級物のカッコいい
バンドを探して通販で購入し好んで聴くようになった。福井で唯一マニアックなレコードが置いてあった店でドキドキしながら
ジャケ買いしたり、少ない情報の中で周りの友人たちが知らないカッコいいバンドを探して見つけることがすごく楽しかった。
そして最初は珍しさから聴いていたB級といわれるバンドの方が、自分にとっては洗練された“売れている”バンドよりも
音楽的にも完全にカッコよく感じるようになっていった。中学生の頃に見つけて気に入ったバンドは30年以上経った
今でも聴いているし、インディーズ、B級といったバンドが好きなのもその頃から変わっていない。
STUPID PLOTSも、他の誰も知らないようなおもしろいバンドを探しているコアな音楽好きな人に見つけてもらって
「誰も知らない良いバンド見つけた!」って思ってもらえるB級バンドであることが出来たら最高だなぁと思う。
こうしてSTUPID PLOTSなりの攻めの作品がきっかけになってつながりが出来て、GHOST MICEの単独アルバム
としては5年ぶりで初の日本盤リリースという大切な今作品のリリースを任せてくれた。
オリジナリティーのある独自の音楽を発信し続けて世界中にファンを作りシーンを作っていったPLAN-IT-X RECORDS。
今回は自分がやってきたことがそのPLAN-IT-X RECORDSのChrisに伝わったことでこのリリースにつながったと信じている。
GHOST MICEの新作アルバムのタイトルがWAKE UP AND FIGHT!というのも本当に感慨深かった。
10年以上休んでいて再始動し17年ぶりに新作をリリースした自分にも通じる想いがあった。
「STUPID PLOTS also wake up and fight ! 」あらためてこう思わせてくれた。